「ねーねー、お小遣い足りないよー!追加でちょうだい?」
「○○ちゃんは毎月いくらもらってるんだって!いいなぁ」
「自分のお小遣いなんだから、いちいち使い方に文句言わないでよ!」
お小遣いを子どもにあげている親なら、絶対に一度は聞いたことがあるセリフだと思います。
もしこれからお小遣いをあげる予定の人も、確実に耳にするでしょう。
子どもにお小遣いをあげていると色々な悩みがでてきますよね。
しかもその悩みがお互いがスッキリする答えを出しにくいものばかりだから、なおさらやっかいです。
できればお互いがスッキリできる子どものお小遣い攻略法みたいなものがあれば、すごく助かりますよね。
「あ、こうすれば子どもも納得してくれるし、私も無意味にお小遣いを増やしたりする必要がなくなる!」みたいな。
そこで今回は、実際に「これさえ見れば完璧」と言える、子どもにお小遣いを適切にあげるためのバイブルを作成しました。
子どもがいる家庭なら絶対に子どものお小遣い問題は避けられません。
ぜひ保存版にして、お小遣いの問題が出現したら目を通してみてください。
150人の親のリアルな悩みを調査!街頭インタビュー&WEBアンケートを実施!
【調査方法・調査概要】
- 調査方法:街頭インタビュー、WEBアンケート
- 調査エリア:東京都内(街頭インタビュー)、日本全国(WEBアンケート)
- 調査対象:3~18歳までの子どもがいる親
- 有効回答数:150件(街頭インタビュー50名、WEBアンケート100名)
- 調査期間:8月10日~30日
子どものお小遣いの悩みと解決策をぜんぶ分析・まとめてみた!
まずは街頭インタビューで聞いた「子どものお小遣いに関するお悩み」をランキング形式で発表します!
【子持ちの親150人に聞いた!子どものお小遣いに関する悩みTOP8】
- お小遣いの「金額」…61人
- お小遣いをあげる「時期」…45人
- お小遣いの「管理」…44人
- お小遣いの「値上げ」…39人
- お小遣いの使い方への「干渉」…37人
- そもそも「お小遣いをあげるべきか?」…35人
- お小遣いの「定額制とご褒美制」どちらが良いか?…33人
- 子どもに「家庭の経済状況を伝える」べきか?…31人
※ご自身の気になる項目をタップすると、すぐに該当箇所が読めます。
※アンケートは複数回答可です。
結果を集計すると、親は大きく分けて上の8つの悩みを抱えていることがわかりました。
これらの悩みを分析し、独自で考えた対策法をお伝えしていこうと思います。
Q1.子どものお小遣いっていくらあげたらいいの?
そろそろお小遣いをあげようかと思っているが、まだまだ小さいので適切な金額がわからない。
(たーぼーさん、男性、子ども5歳)
今は月1500円ですがもうじき高校生になるのでもう少しあげようか悩んでます。
(ゆみさん、女性、子ども15歳)
まずは街頭インタビューとWEBアンケートの結果から見てみましょう。
ドン!
【いくら子どもにお小遣いをあげている?街頭インタビューとWEBアンケートの結果】
未就学児(保育園児・幼稚園児)
平均額(月) | 一番多かった額 | 最低金額(月) | 最高金額(月) | 回答数 | |
~5歳(小学生未満) | 約180円 | 150円 (6人) | 150円 | 300円 | 15名 |
※お小遣い制で渡している金額の合計も含む
小学生
平均額(月) | 一番多かった額 | 最低金額(月) | 最高金額(月) | 回答数 | |
7歳(小学1年生) | 約320円 | 300円 (15人) | 100円 | 1,000円 | 43名 |
8歳(2年生) | 約593円 | 500円 (11人) | 100円 | 1,000円 | 37名 |
9歳(3年生) | 約 899円 | 500円 (9人) | 300円 | 1,500円 | 29名 |
10歳(4年生) | 約1,211円 | 1,000円 (12人) | 400 円 | 1,100円 | 32名 |
11歳(5年生) | 約1,805円 | 1,000円 (7人) | 500 円 | 5,000円 | 24名 |
12歳(6年生) | 約2,233円 | 2,000円 (8人) | 1000円 | 6,000 円 | 19名 |
中学生~高校生
平均額(月) | 一番多かった額 | 最低金額(月) | 最高金額(月) | 回答数 | |
13歳(中学1年生) | 約2,571円 | 2,000円 (7人) | 300円 | 11,000円 | 15名 |
14歳(2年生) | 約3,923円 | 3,000円 (4人) | 2,000円 | 10,000円 | 8名 |
15歳(3年生) | 約4,607円 | 3,000円 (2人) | 1,000円 | 15,000円 | 5名 |
16歳(高校1年生) | 約4,338円 | 3,000円 (6人) | 500円 | 15,000円 | 10名 |
17歳(2年生) | 約5,205円 | 5,000円 (3人) | 1,500円 | 10,000円 | 6名 |
18歳(3年生) | 約5,757円 | 5,000円 (2人) | 3,000円 | 10,000円 | 5名 |
※お小遣いをあげないと答えた方の意見は除外しています。
※子どもが今の年齢になるまであげていたお小遣いの額も、覚えている限り答えてもらいました。
最低金額と最高金額はそれぞれの家庭の経済状況が出る結果となりましたが、平均額は子どもの年齢が上がるごとに増えているのがわかりますね。
予想通りの順当な結果です。
年齢が上がるにつれて、お金の価値もわかってきますし、いろいろと出費も増えるのであげる金額が増えるのは当然といえます。
ただ、やはり家庭によってあげているお小遣いにばらつきはありますし、おそらくその金額が適切ではない場合もあるでしょう。
お小遣いの金額は1番ダイレクトに家庭の経済状況が関わってくるところで難しいですが、「だいたいこれくらいの金額なら親も子もうまくいっている」という金額はあるのでしょうか?
A1.親がお小遣いの使い道を理解して金額を変えるべし!
「○○円あげるのがベスト!」と言い切るのは、それぞれの経済状況があるので不可能に近いです。
ただ他の家庭で満足度の高い金額がわかれば参考にはなりますよね。
お小遣いの金額で上手くいっている家庭は、その金額に決めた根拠もあるはず。
- 未就学児(幼稚園児)
- 小学校低学年(1~3年生)
- 小学校高学年(4~6年生)
- 中学生
- 高校生
※小学1年生、2年生と細かく区切らなかったのはあまり意味がないと判断したためです。
それよりももう少し大きな区切りで、だいたい○円くらいと提示したほうが参考にしやすいのではないかと思います。
そこで今回は子どもの学年を区切って、あげている金額に対する満足度を合わせて調査してきました。
※ご自身の子どもに当てはまる項目をタップしてください。
Q2.いつから子どもにお小遣いをあげれば良いの?
個人的には小学生になったらあげようと考えていますが、まだ小学生ははやいですかね?
(ひいまま、女性、子ども4歳)
でも子どもはまだ小さいし、あげる必要ないんじゃないかなって思うんですけど…。
(えりかさん、女性、子ども5歳)
【いつからお小遣いをあげている?orあげるつもり?街頭インタビューとWEBアンケートの結果】※有効回答数150名
やっぱり小学生や中学生からお小遣いをあげる人が多いようですね。
6~12歳という小学生であげはじめた(あげるつもり)の87人の中でも、特に小学1年生からあげる人が42人とダントツでした。
これは上述したように「小学生以上になると親の付き添いなしで出かける機会が増える」ことが原因でしょう。
またアンケートによると、
- 小さいうちから金銭感覚を養っておきたい
- まわりの親があげているというから体裁としてあげている
といった意見も見られました。
【小学生からお小遣いをあげている親の意見】
(ぽぽさん、男性、子ども7歳)
やはり自分の子どもだけ自由に使えるお金がないのはかわいそう。
(99さん、男性、子ども9歳)
お金をあげる時期の問題を解決するには、このあたりの意見をくみ取る必要がありそうです。
A2.自分が「子どもに何を身に付けてほしいか?」であげる時期を決めるべし!
子どもにお金をあげる時期も、あげる金額のように「この時期がベスト!」とピンポイントで答えを出すことはできません。
しかし親がお小遣いをあげる意味をしっかり考えることで、おのずと「この時期からあげたほうがいいな」という時期が見えてくるはずです。
周りの親がお小遣いあげているみたいだから、うちもあげたほうがいい?
気持ちはものすごくわかりますがNGです。
なにかしら意図があってお小遣いをあげるのは良いのですが、世間体や子どもがかわいいからという理由だけで、お小遣いを「なんとなく」あげてしまうとロクなことになりません。
特にお金の価値がほとんど分からない幼稚園のうちから一定額のお小遣いをあげるのはやめましょう。
幼稚園生のうちはご褒美制で少しずつあげるだけでじゅうぶんです。
もし小学生になっているなら、まわりの親もあげているという理由の他に「金銭感覚を養いたい」などの目的も自分の中で明確にしたうえであげるのが望ましいです。
そうじゃないと「まわりが○円あげてるっていうからあげた」というように、自分自身のお金の管理もだらしなくなってしまいます。
Q3.子どもがすぐにお小遣いを使い切ってしまう。ちゃんと管理させたい…。
計画性がなさすぎるのが悩み。
(ぽんたさん、男性、子ども13歳)
あげている額はママ友と相談して同じ額をあげていますし、ママ友の子はしっかりやりくりしているようなので、どうしたらいいか悩んでます。
ママ友にコツを聞いても「特にあたしは何も干渉してないよ」と言っていて、どうしたらいいかわかりません。
(あみさん、女性、子ども10歳)
実際のところ「うちの子はきちんと計画的にお小遣いを使っている」と感じている親はどれくらいいるのでしょうか?
結果を見てみましょう。
【子どもはお小遣いを計画的に使っている?いない?街頭インタビュー&WEBアンケートまとめ】※有効回答数:127名(お小遣いをあげていない23名は除く)
やはり半数以上の親が、自分の子どもは計画的にお小遣いをつかっていないと感じているようです。
きちんと子どもが計画的に使えるようにならないと、後述しますが増額をねだってくる可能性もあります。
ここはきっちりと「お金の管理」を身に付けさせたいですね。
A3.子どもにお金を管理させるコツは「収支表」と「分割払い」
子どもが計画的にお金を使えないのは、
- 1ヵ月という期間が長すぎて、うまく計画をつくれない
- 自分が何にいくら使ったのか覚えていない
この2つが主な原因です。というか、子どもに限らず大人でも直面する問題ですね。
ある程度収入があるのに、いつも「金欠だー」と言っている人の大概が当てはまります。
この問題を解決するためのアプローチ方法も原因と同じく2つ。
- 子どもに収支表をつけさせる
- 親がお小遣いを分割にして渡す
1つ目は子どもがやるべきアプローチで、2つ目は親がやるべきアプローチですね。
それぞれ具体的にチェックしておきましょう。
Q4.子どもがお小遣いが足りないとせがんでくる。増額した方がいいの?
本人は友達付き合いで必要だといっています。
(ななさん、女性、子ども14歳)
「どうして足りないの?」と聞いても「少ないからだよ」と繰り返すばかり。
納得できる理由があれば、お小遣いを上げてあげても良いのですが…。
(たんぽぽさん、女性、子ども12歳)
実際に子どもにお小遣いを上げてほしいと頼まれた親は何人いるのか、インタビューとアンケートの結果を見てみます。
【お小遣いを増額してほしいと頼まれたことはある?街頭インタビューとWEBアンケートまとめ】※有効回答数127名(お小遣いをあげていない23名は除く)
予想通りといいますか、お小遣いをあげている親のほとんどがお小遣いの値上げを頼まれたことがあるとのこと。
ハッキリと「上げて」と頼まれたことはなくても、「足りない」「他の家の子はもっと貰ってるらしいよ」と暗に値上げをほのめかされることも多いみたいです。
こうして子どもにお願いされても「ダメ!無理!上げません!」と突っぱねれば話は終わりなのですが、真っ向から否定するのもちょっと気が引けるもの。
もしかすると本当に必要な額が足りなくて悩んでいるのかもしれないですしね。
だからといって「じゃあ、来月から上げてあげるね」とすんなり受け入れるのもびみょうなところ。
毎月の額を上げると家計の負担も増えますし、それが本当は必要のない増額なら子どものためにもなりません。
いわゆる「ループ状態」に陥ってしまいやすいのが、この悩みの特徴と言えます。
A4.増額したいなら討論の場をつくるべし!
子どもがお小遣いの値上げを要求してきたら「○○に△△円使いたい!だから毎月△△円欲しい!」と具体的な理由を述べさせるようにしましょう。
- どうしてお小遣いの値上げが必要なのか?
- 値上げせずにやりくりすることはできなかったのか?
などを具体的に説明させていきます。
もちろんこういうと子どもは適当な理由をでっちあげてくる可能性があります。
例えば「友だち付き合いで~」みたいに曖昧な答えを返してくることもあるでしょう。
しかしこれで納得してはいけません。
「友だち付き合い」が理由というのなら、「友だち付き合い」とは具体的に何なのかまでツッコんでいく必要があります。
「友だち付き合いってなに?一緒にご飯食べるお金?」
「友だちの誕生日プレゼントでも買うの?その金額に決めた理由は?」
このように具体的に掘り下げていかなければ、本当にお小遣いを必要としているのかどうかわかりませんよね。
もし子どもの提案で納得できないのであれば増額する必要もありませんし、納得できたのであれば増額しましょう。
また、こうした意見を発表する能力は大きくなっても確実に役立つものです。
- あらかじめ必要な情報をまとめる情報収集能力
- ものごとを論理的に組み立てる思考力
- わかりやすく説明する力
例えばあらかじめ討論の場をつくると伝えておけば、レシートを取っておいて自分はムダ遣いしていないことの証明に使ってくるかもしれません。
親を納得させるためのエピソードを、矛盾が生まれないように練ってくるかもしれませんね。
子どもの意見を聞いたあとは、それを評価してあげることも忘れないでください。
「○○ってところに納得したからお小遣い上げてあげるね」「○○のところがまだ納得できなかったから、今回は見送りね」というような感じです。
単純に「はい、増額。はい、ダメ。」というだけでは、子どもも納得しませんし、タメになりません。
増額に成功したら「親ってちょろいな。次からちょっと手抜きするか。」、失敗したら「なんだよ。上げる気ないんじゃん。嘘つき!」と思われてしまいます。
子どもが努力して意見をまとめてきたのなら、良いところや悪いところを指摘してあげるのも親の役目。
討論会をもうけることでお互いに納得してお小遣いの増額問題を解決できるようになるので、取り入れてみてください。
Q5.「子どものお金の使い方」どこまで干渉したらいいの?
(タカヒロさん、男性、子ども10歳)
確かにその通りだと思うんですけど、どうしても心配です。
(みちこさん、女性、子ども12歳)
できるだけ干渉しないほうが良いけど、どうしても子どものお金の管理が心配で干渉してしまう方が多いようです。すごく気持ちはわかりますよ。
特に子どもが小さければ小さいほど不安になりますもんね。
そこで、お小遣いの使い道への干渉レベルを5段階にわけて回答してもらいました。
- まったく干渉しない
- 高額の買い物についてだけ、または子どもから相談された時だけ干渉する
- 子どもの行動にムダ遣いが目立つときだけ干渉する
- 基本的に干渉するが、小銭での買い物には口出ししない
- ジュースを買うなど細かな買い物も干渉する
【子どものお金の使い方、どこまで干渉してる?街頭インタビュー&WEBアンケート結果まとめ】
有効回答数(127名) | 干渉レベル① | 干渉レベル② | 干渉レベル③ | 干渉レベル④ | 干渉レベル⑤ | |
~5歳(小学生未満) | 15名 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 |
6~9歳(小学校1~3年生) | 64名 | 0 | 0 | 11 | 32 | 21 |
10~12歳(小学校4~6年生) | 18名 | 2 | 2 | 5 | 6 | 3 |
13~15歳(中学生) | 22名 | 7 | 8 | 5 | 2 | 0 |
16~18歳(高校生) | 8名 | 4 | 3 | 1 | 0 | 0 |
※お小遣いをあげていないと答えた23名の意見は除外しています。
やはり子どもの年齢が小さければ小さいほど、干渉したがる親が多い様子。
逆に子どもが中高生くらいになると、ほとんどの親が干渉しなくなっています。
【干渉していない親の意見(回答①・②)】
渡した額で一ヵ月やりくりするよう本人には言っております。
(そーやさん、男性、子ども18歳)
決めたお小遣い以上は絶対にあげませんし、お小遣いは自由に使わせます。
(北海道のママさん、女性、子ども16歳)
「確かに」と頷いてしまいたくなる意見ですね。おそらくすべての子どもたちは、こちらの意見に賛同するでしょう。
さすがに渡したお金くらいは自由に使わせてあげないと子どもたちがかわいそうだし、窮屈になってしまう気もします。
しかし頭ではわかっていても、子どもを100%信用するのはなかなか大変なことです。
つい干渉してしまう親たちの意見も見てみましょう。
【干渉している親の意見(回答④・⑤)】
自分で値段を見て買うのは、スーパーでお菓子を選ぶ時くらいなので「10円のなら5個だよ」みたいに教えています。
(あきなんさん、女性、子ども4歳)
本当に必要なものなのか吟味します。
(ぽちょむきんさん、男性、子ども7歳)
こちらも「そりゃそうですよね」という意見が続出しました。
少しのお金とはいえ、塵も積もれば山となってしまいますし、勝手に使い切られて毎月せがまれるのはたまったものじゃありません。
ごく当たり前の意見ですが、大切な意見です。
A5.親の干渉は「ほとんどなし」の②が好ましい
お小遣いの使い方は基本的に自由にさせ、高額の買い物についてだけ、または子どもから相談された時だけ干渉するのが理想的だと思います。
ようは基本的に無干渉でOKということ。
「いや、でも小さい子だとすぐ使い切ってしまうんじゃ…」と心配している親の声が今にも聞こえてきそうですが、問題ありません。
むしろ小さいからこそ「使い切って後悔するという経験を積ませたほうが良い」です。
この経験を小さい頃にきちんとしておかないと、大人になってからもこの失敗を繰り返すことになってしまいます。
親が過剰に干渉してしまうと、子どもに自分でお金を管理する能力や適切な金銭感覚がつきにくくなってしまうのです。
だって親が口出しして使い道を決めるのなら、結局お金を管理しているのは子どもではなく親になってしまいます。
そのクセがつくと、いざ自分一人で買い物するときにどれを選べば良いのかわからない状況になってしまうこともありえる話。
「ムダ遣い」という経験もまた、子どもの金銭感覚を養うには大切なことなんですね。
Q6.子どもにお小遣いってあげたほうが良いの?
欲しいとも言われないのであげなくてもいいのでしょうか。
(しゅっちゃんさん、女性、子ども9歳)
街頭インタビューとWEBアンケートで話をうかがった150名の中にも、「お小遣いをあげていない」という方は23名いました。
決して少なくない数字ですね。
そのうえ「まだ子どもの年齢が小さいからなのかな?」と思っていると、そういうわけでもなく小学校や中学生のお子さんがいる親の方々もいたので驚きました。
バイトができない子どものうちは、できる限り必要だと私が思ったものは買ってあげます。
(ゆみさん、女性、子ども14歳)
本当に必要なものを言われたときにかぎり買ってあげています。
(マサルさん、男性、子ども10歳)
確かにぐうの音も出ないほどの正論に見えますね。
ここまでハッキリ言われると、本当にお小遣いをあげないことのほうが正しい気さえしてきます。
ただしお小遣いをあげないという方に共通して見られたのは、「必要なものは都度親が買ってあげる」という回答でした。
さすがに不必要なものは子どもに一切与えないという親はいないようです。
このあたりも考慮して、子どもにお小遣いが必要ないかどうか判断するべきでしょう。
A6.できるだけ子どもにお小遣いはあげるべし!
子どもにはきちんと毎月お小遣いをあげたほうが良いです。
もちろん家庭の経済状況で、Q1「いくらお小遣いをあげれば良いの?」で導き出した金額は捻出できないとしてもです。
例えば小学校高学年は1,000円がベストとお伝えしましたが、仮に1,000円じゃなくて500円しか渡せなくてもかまいません。
なぜなら子どもにお小遣いをあげる目的は「子どもに欲しいものを買わせること」ではなく、「自分でお金を計画的に使う力を身につけさせること」だからですね。
ようはお金の使い方さえ身につけることができれば万事OKなわけです。
例えお小遣いが少なくても、子どもが頑張ってやりくりしてくれようとすればお小遣いの役目は達成できているんですね。
親が都度欲しいものを買ってあげるのはよくない
何度も言いますが、お金の使い方を身につけるには、子どもみずからお金を切り崩していく経験が必要不可欠。
そしてこの経験は子どもが小さければ小さいほど良いです。
「赤子の魂百まで」ということわざがあるように、子どものころの経験は大人になってからも生きてきます。
裏を返せば、子どもの頃にろくにお金の使い方を学んでいないと、大人になってもお金の使い方がわかりません。
都度買ってあげることもときには大切な行為ですが、毎回それではお金の使い方を身に付けられないので、できるだけお小遣いは渡してあげるのが賢明です。
Q7.お小遣いは定額制とご褒美制ってどっちが良いの?
しかしお友達は毎月決まった額をもらっているようで。
どっちがいいのかわかりません。
(はるかさん、女性、子ども11歳)
できればご褒美制度のほうが楽で良いんですけど…。
(たつさん、男性、子ども8歳)
定額制とご褒美制については、どちらも良いところがあるので、どちらか一方を「悪い」と断ずることが難しい問題。
街頭インタビューやWEBアンケートでも「どちらも良いと思うけど…」と悩む親が続出したのを覚えています。
ところがいざ「じゃあ、どちらが良いと思うか選んでください」というと、予想外の結果が出ました。
【お小遣いをあげるなら定額制?ご褒美制?街頭インタビューとWEBアンケートまとめ】※有効回答数150名
なんと定額制であげている親まで「ご褒美制のほうが良い」と答えたのです。結果的にご褒美制を選んだ親のほうが多くなりました。
ただ、ご褒美制にすると子どもが嫌がる。
(あやさん、女性、子ども9歳)
(タクさん、男性、子ども7歳)
ご褒美制が人気な理由を聞いてみると、
- お手伝いしたときだけでお小遣いをあげれば良いので、家計・家事の負担が減る
- お金は働いた等価として得られるものという認識を芽生えさせることができる
大きくこの2点になるようです。
親としてはご褒美制のほうが楽になるのでしょう。
しかし大事なのは親の都合ではなく、子どものお金の教育。
これを念頭において解決策を出す必要性があります。
A7.定額制のお小遣い制度のほうが子どもには良い
子どもの教育のことだけを考えるのであれば、定額制度のほうが子どもの金銭感覚を養うのに一役買ってくれます。
定額制で「いつ/いくら貰えるのかわかる」というのは、かなり大きなアドバンテージ。
ご褒美制のように収入が不定期ではないので、利用計画も立てやすいですし、貯金などもしやすいです。
つまりご褒美制よりも定額制のほうが、子どもが計画的にお金を使えるようになりやすいということ。これはかなりの強みです。
もしご褒美制のみを採用すると、子どもは計画的にお金の利用方法を学ぶ機会を失うことになりますよね。
代わりとなる子どもがお金の計画的な使い方を学べる方法を探す必要があるわけですが、なかなか見つけることは難しいと思います。
おもちゃのお金で学ばせるという手もありますが、実際にムダ遣いしても何のダメージもないので効果としては低め。
やっぱり定額制でお小遣いをあげて学ばせるのが1番てっとりばやいですね。
ただし、あくまでもこれは定額制とご褒美制のどちらが子どもに良いかを比べた場合の話。ご褒美制が悪いと言っているわけではないので注意してください。
ご褒美制は子どもに「お金は働いて稼ぐ」ということを教えられる!という意見について
アンケートの意見でもありましたが、確かにご褒美制は子どもに「お金は働いて手に入れるもの」という意識を植えつけてくれます。
確かにこれはすごく良いことだと思います。
子どもがお金の価値を理解せずにねだってくることもないですし、積極的にお金を稼ぐためにお手伝いをこなしてくれるでしょう。
しかし本当に「お金は働かないと稼げない」ということを教えるのが、小さい子どもに1番大切なことなのでしょうか。
実際に子どもが他人にもまれながらお金を稼げるのは、高校生になってから。
お金は働いて稼ぐものだと教えるのは、子どもが高校生になってアルバイトできるようになってからでも十分だと思います。
それにお金は働いて稼ぐものだと知っていても、結局うまい使い方を知らなければ意味がありません。
苦労して稼いだお金をムダ遣いでなくしてしまうことも、じゅうぶん考えられます。
まずはお金を稼ぐ必要性よりもお金の使い方に注力したほうが良いでしょう。
Q8.うちの経済状況がかなり悪い…子どもにどう伝えたらいい?
どうやら友達とお揃いのおもちゃが欲しくて母親にお小遣いの値上げを要求したら「うちは貧乏なんだからガマンして」と言われたらしく。
高いおもちゃなんで嫁も買わせたくなかったんだと思いますが、うちの家計に余裕がないことってどう伝えたらいいでしょう。
(ハンゾーさん、男性、子ども8歳)
深刻な家庭の経済状況を子どもにどう話すかという問題です。
子どもの「買って買って」攻撃に、思わず「うちは貧乏だから新しいおもちゃ買えないの!」と返してしまったママも多いのではないでしょうか。
子どもに家計の心配などさせたくないのが親心ですが、あまり家の経済状況を知らずに育つとお金の価値を軽んじてしまう恐れもあります。
一体どのように家計の話をするのがベストなのでしょう?
A8.家計の話はマイナス面3:プラス面7で子どもに伝えるべし!
まず大前提として、子どもが小さい頃に「うちは貧乏なんだから」と言うのは絶対NG!
幼稚園~小学校低学年の子どもにとって「貧乏」という言葉のイメージは、親が思っているよりも強く心に残ります。
こういった抑圧をうけて育った子どもは、自分の考えや主張を抑え込むクセが身についてしまいかねません。
小さいうちから「ママそんなにお金ないから○ちゃんも欲しいものあってもガマンしようね」というような話をしていたのが、逆効果だったのかもしれません。
(ひまわりさん、女性、子ども14歳)
そのため、家計について子どもに伝える時はマイナス面を3割、プラス面を7割のイメージで話すのが良い方法です。
具体的な例を、さきほどの「買って買って攻撃をうけた時」で想定してみましょう。
「ママが今持ってるお金では買えないけど、そのぶん今日も明日もおいしいごはんを作ってあげられるし、貯めたお金でもっと欲しいおもちゃが新しく出た時に買えるかもしれないから今はママと一緒にガマンしようね」
おねだり中の子どもに完全に納得してもらうことは難しいですが、この回答例のように希望を持たせることが大事です。
お金があれば良い暮らしが守れる・お金を貯めればいつか高額なものだって買えるという希望を子どもに提示して、経済的余裕がない「マイナスイメージ」をカバーしましょう。
一方、子どもがもう小学校高学年・中学生以上なら、ある程度詳しい家庭の経済状況を伝えるといいですね。
しかしいきなり家庭の経済状況を伝えようとしても「何から話せばいいの?」と悩むところ。
子どもに家計の話をするポイントを3つにまとめました。
いずれのポイントも、あまり深刻なムードにならないよう気をつけたい話題です。
家計が苦しいと、つい「お金ないんだから節約して!」と子どもにも訴えたくなりますが、あくまでもマイナス面ばかり伝えないことが肝心。
働いて得た収入が貯金や出費にまわされる過程をなんとなく理解してくれればいいなという気持ちで話してみましょう。
子どものお小遣いの悩みは恐るるに足らず!しっかり子どもと向き合って解決しよう!
- 子どもの金銭感覚を養う
- 子どもの将来のためにお金の計画的な使い方を学ばせる
- 欲しいもののために我慢することを教える
などなど、お小遣いは子どもの教育に絶対欠かせないものです。
そして同時に子どもを教育する親の力量がダイレクトに反映されてしまうところでもあるんですよね。
だから無意味だったり、下手なあげ方をしていると、子どもと親両方の未熟さがぶつかってもめてしまうわけです。
子どもが未熟なのは当たり前。
まずは親がしっかりと落ち着いて数あるお小遣い問題に立ち向かうことが大切です。
ぜひこのページをいざ子どもとのお小遣い戦争がはじまりそうなときに読み返してみてください。
きっとお小遣い戦争で役に立つ武器になってくれるでしょう。